はじめて茶器のお店に入ると、急須の形も、茶杯のサイズも、盆の種類もたくさんあって、名前の分からない道具まで並んでいて、少し圧倒されてしまうかもしれません。でも、おいしい一杯のためには、基本の道具が少しあれば十分です。Nhà An が、それぞれの選び方、素材ごとの向き不向き、茶器を長くきれいに使うコツをご紹介します。
揃えたい基本の5点
小さな急須で淹れるスタイルは、だいたい次の5点が中心です。
- 急須(ấm):茶葉とお湯が出会う場所です。初心者の方は、蓋付きの茶碗(蓋碗/gaiwan)で代用できます。茶葉が開く様子が見やすく、洗うのも簡単です。
- 茶海(chén tống):注ぎ口のある大きめの茶杯や小さなピッチャーです。急須のお茶をすべて受けてから分けるので、どの杯も同じ濃さになります。
- 茶杯(chén quân):飲むための小さな杯で、1杯で二、三口ほどの量です。
- 茶盤:急須や茶杯を支え、すすぎのお湯を受けます。水受け付きの竹の盆でも、大きなお皿でも構いません。
- 茶こし:茶海の口にのせて茶葉のくずを受けます。細かい茶葉や小さな芽の茶葉を淹れるときに欠かせません。
あとはお湯を沸かすケトルと、茶葉を入れる密閉容器があれば始められます。茶杯用のトングや茶さじは、後から揃えても十分です。
陶器、磁器、素焼き、ガラス
素材にはそれぞれ個性があり、すべての人に合う素材はありません。
- 釉薬をかけた陶器(バッチャン焼など):肉厚で保温性が高く、形も釉薬の種類も豊富です。青い釉薬やひび模様の釉薬などがあり、手に持つとやや重めです。ひび釉の杯は使い込むほどお茶の色がひびに染み込み、その風合いが好きな方もいれば、苦手な方もいます。
- 磁器:きめ細かく緻密な生地で、においが移りません。内側が白いのでお茶の色が見やすく、テイスティングによく使われます。薄手の磁器は、厚手の陶器より早く冷めます。
- 釉薬をかけない素焼き:保温性が高く、生地がわずかに多孔質なので、お茶の香りを少しずつ吸い込み、使うほどにつやが出てきます。においを吸うため、1つの急須につき1種類のお茶に決めて使うのがおすすめです。
- ガラス:お茶の色や茶葉が開く様子を眺められ、においも移りません。緑茶、芽茶、花茶によく合います。耐熱ガラスを選び、冷めやすい点には注意しましょう。

容量の選び方と、買う前の試し注ぎ
容量は、いつも一緒に飲む人数に合わせて選びましょう。
- 1~2人:急須または蓋碗で100~150ml前後。
- 3~4人:急須で150~200ml前後。
- 大人数、またはオフィスで淹れる場合:大きな急須を買うより、フィルター付きのガラスポットがおすすめです。
茶海は急須1杯分をそのまま受けられる大きさを選びましょう。お茶が残ったままだと、2煎目以降がだんだん渋くなってしまいます。急須に表示されている容量は、ふちまで満たしたときの量です。茶葉の分だけ場所を取るので、実際に淹れるお湯の量はそれより少なくなります。
購入するときは、水を入れて試し注ぎをお願いし、次の点を確かめてみてください。
- 注ぎ口からの水の筋がまとまっていて、急須の側面を水が伝わない。
- 蓋の小さな穴をふさぐと水が止まる(蓋がぴったり合っている証拠です)。
- 急須を傾けて水を注ぎ切っても蓋がずれない。持ち手がバランスよく、熱くならない。
- 注ぎ口の付け根にある茶こしの穴が、茶葉が出ない程度に細かい。
- 茶杯の内側が明るい色で、お茶の色が見やすい。

コンパクトな入門セット3つ
箱入りのフルセットを買うより、必要に応じて1点ずつ組み合わせてみましょう。
- デスクで楽しむ一人用セット:白い磁器の蓋碗、ガラスの茶海、茶杯を1~2つ、茶こし。盆の代わりに深めのお皿を使います。
- 友人をもてなすセット:150~200mlの陶器の急須、急須1杯分が入る茶海、茶杯4つ、水受け付きの竹の盆。
- 少しずつ育てるセット:いちばんよく飲むお茶専用の素焼きの急須、温度調節のできるケトル、小さなはかりを加えます。
優先したいのは、お茶に直接触れる急須、茶海、茶杯です。盆、容器、布は、手持ちのもので間に合います。蓋碗に慣れないうちは、ふちまで注がず、縁を持つ場所を残しておきましょう。

長く使うためのお手入れ
- 淹れ終わったらすぐに茶殻を捨て、急須をお湯ですすぎましょう。濡れた茶葉を一晩入れたままにしないでください。
- 蓋を開けてしっかり乾かしてからしまいましょう。素焼きの急須や竹・木の盆は、湿ったままだとカビやすくなります。
- 釉薬をかけていない素焼きの急須は、お湯ですすぐだけにして、食器用洗剤は使わないでください。本体がにおいを吸ってしまいます。
- 磁器、ガラス、釉薬をかけた陶器は、少量の食器用洗剤で洗えます。茶渋は重曹と柔らかい布で拭き取り、金属のたわしは避けましょう。
- 熱湯を注ぐ前に道具をお湯で温め、熱くなった急須に急に冷たい水をかけないようにしましょう。
- 新しい急須は、はじめて使う前によく洗い、熱湯で数回すすぎましょう。
淹れて、持ってみてから選ぶ
茶器選びのいちばんの近道は、やはり実際に淹れて、手に取ってみることです。Nhà An のオープン後は、陶器のティーテーブルでお茶を一壺注文して、バッチャン焼の急須の重みや、茶杯のぬくもり、お茶を注ぐときの水の流れを体験していただけます。Nhà An では、土曜日に少人数のお茶淹れワークショップも開催予定です。詳しい日程はオープン後にお知らせします。
続きを読むはじめての烏龍茶の淹れ方ガイド